「3×3シブヤトーナメント」初代チャンピオンに聞く、“3人制バスケ”の魅力とは?

アップテンポな音楽が流れるなか、DJの声が響き渡る――。

2007年から国際バスケットボール連盟(FIBA)が正式競技種目と位置付けたバスケットボールの「3×3」(スリー・バイ・スリー)は、屋内で行われる5人制ではなく、屋外のコートでもできる3人制の競技。会場の雰囲気も特徴も、5人制とは少し異なります。

また、2020東京オリンピックの公式競技となったことも追い風となり、最近では国内の大会も増加。そんな中、2018年11月には東京・渋谷にて朝日新聞社主催の「3×3シブヤトーナメント」が開催されました。

そこで女子トーナメントの初代チャンピオンに輝いたのが、東洋大学バスケットボール部のメンバーで構成されたチーム「暇人の集い」です。ここでは大会に出場した斎藤侑実さん、阪口和香子さん、松尾京佳さん、見尾田華さんの4選手に大会を振り返ってもらうとともに、5人制バスケットボールとの違いや、「3×3」の魅力を語ってもらいました。

■3×3とは?
スリー・バイ・スリーと呼ばれる、3人制のバスケットボールの競技。国際バスケットボール連盟(FIBA)が正式なルールを設け、2020東京オリンピックでは正式種目として採用された。プレーにおける基本的なルールは5人制と同じだが、5人制で使用されるフルコートに対し半分以下のコートが使用され、公式ボールも異なるなど、独自のルールがいくつか設けられている。
公益財団法人日本バスケットボール協会」ホームページより

東洋大学バスケットボール部・女子部「ネイビーズ」ってどんなチーム?

画像:斎藤侑実選手。2019年副主将を務める

――全員小学校からバスケットボールをはじめ、大学で同じチームになったわけですが、まずそれぞれ東洋大学に進学し、バスケットボール部に入部した理由を教えてください。

斎藤侑実(以下、斎藤) 私は大学で教員免許を取ろうと決めていたので、東洋大学で教育のことを学びたいと思って入りました。阪口さんをはじめ、バスケットボール部の同級生には高校のときからの知り合いがいて、「一緒にバスケットやろうよ」と声を掛けてもらったのが入部を決めた一番の理由です。

阪口和香子(以下、阪口) 高校の先輩が東洋大学のバスケットボール部にいたので、その先輩から練習の雰囲気などを聞いて、私も入りたいと思いました。

松尾京佳(以下、松尾) 最初は大学でバスケットボールを続ける気はなく、英語を学びたくて東洋大学を選びました。でも、高校の顧問の先生が東洋大学のバスケットボール部女子部監督の谷釜尋徳先生と知り合いで、良いチームだから大学でも続けてみたらどうかと勧めてもらったことがきっかけで、大学でもバスケットボール部に入りました。

見尾田華(以下、見尾田) 指定校推薦の大学がいくつかあったなかで、東洋大学に学びたい会計学の学科があったので進学しました。バスケットボールはサークルでやるか、体育会に所属して続けるかを迷いましたが、バスケットボール部の練習を見学したときに、また4年間本気でやってみるのもいいのかなと思い、入部しました。

――東洋大学バスケットボール部女子部の特長を教えてください。

斎藤 学年ごとに壁がなく、部員一人ひとりの仲が良いところです。ミーティングでも、お互いに意見を言いやすい環境があります。たとえば、年下だからこういう仕事をしないといけない、先輩だから下級生に注意をしないといけないといった雰囲気はないので、バスケットボールにも集中できます。これはチームで大切にしていることでもありますね。

3×3と5人制の違いは?

3×3シブヤトーナメント2018」公式ホームページより

――昨年11月に開催された「3×3シブヤトーナメント」で優勝されましたが、出場するキッカケは何だったのでしょうか。

斎藤 渋谷のスポーツショップで働いている先輩から声を掛けていただきました。そして、普段から仲の良かったこの3人を、真っ先にメンバーとして誘いました。

――他の3人の出場の理由は?

見尾田 優勝賞品がですね……とても良かったんですよ!(笑)。だから「やるやる!」と。優勝したらひとり一個ボールがもらえて、デパートの商品券に時計も。

阪口 私も賞品に惹かれて(笑)。

松尾 私は「みんなが出るならやってみようかな、楽しそうだな」ぐらいの気持ちで参加しました。

――チーム名の「暇人の集い」とは?

見尾田 もともと4人で遊ぶことも多くて、そのときから「自分たち、暇人の集いじゃない?」と言っていたんです。だからチーム名をどうしようかという話になったときも、そのままでいこうと(笑)。

――4人とも3×3は初めての経験だったとのことですが、実際に5対5(5人制)との違いは感じましたか?

斎藤 3人しかいないので、絶対にオフェンスに参加しないといけないんです。人数が少ないぶん、オフェンスにも参加する機会が多いと感じました。後は、攻めと守りの切り替えがすごく速いこと。

見尾田 全体的な試合のスピード感は3×3のほうが速いですね。あと5人制では、大学生女子部門では6号ボールを使いますが、3×3は男女共通で大きさは普段と同じ6号だけど、重さは7号で少し重い。そういった細かいところでいくつかルールも違います。最初は少し戸惑うこともありましたが、プレーするうちに慣れていきました。


画像:松尾京佳選手。冷静なプレーでチームに安定感をもたらすフォワード

松尾 私も攻めと守りの切り替えの速さが違うと思ったのが一番ですね。あとは、ボールを持つ時間が5人制よりも多いので、個人の技術も重要になってくるなと感じました。

阪口 そうだね。ひとりに対する負担が大きくなるぶん、一人ひとりが技術を高めないと勝つのが難しい。あとは試合会場が屋外なので通りすがりの人たちも見ていて、そこが普段の試合とは大きく違いましたね。

斎藤 あと、普段の試合では(場内)解説の人はいないのですが、あの大会では解説の人がいて、自分のプレーに対して何倍も“盛って”話してくれるので(笑)、気分はよかったですね。良い意味で調子にも乗れて、チャレンジングなプレーもできました。

――今振り返ってみて、優勝できた要因は何だったと思いますか?

松尾 決勝は、最初自分たちの流れで進められていたのですが、途中から相手の3Pシュートが入り始めて。内心はみんな焦ったのですが、最後は勝ちたいという気持ちだけでなく、3×3を楽しもうという思いもあったので、心に余裕をもって最後まで集中してプレーできたことが今回の要因かなと思います。


画像:見尾田華選手。スピードあふれるプレーで1対1を制しチームをけん引

――決勝は本当に最後の最後まで大接戦。終了間際に逆転するというスリリングな展開でしたね。

見尾田 残り数秒のときに斎藤さんが(ファウルを受けたことで)フリースローをもらってくれて。2本とも決まったら逆転という緊張の場面で、しっかりと決めてくれて。さすが、という感じですね。

斎藤 相手チームのメンバーには3×3の日本代表候補選手がいて、シュートもすごく入っていたので、相手チームも周囲も「このままSRY(相手チーム名)が勝つ」という雰囲気でした。それが悔しくて、そのフリースローは絶対に決めてやると思っていました。

3×3の魅力とは?

――3×3の動きの中で、5人制にも生かせるなと思ったことはありますか?

阪口 3×3では1対1で仕掛けたりディフェンスしたりする場面が多いので、個人のスキルは3×3をやっていけばどんどん上がるでしょう。1対1のスキルは絶対に5人制でも必要なので、ここは生かせるところだと思います。

松尾 あと、攻守の切り替えの速さも5人制につながると感じました。試合全体のスピードが速いので、集中力も3×3で鍛えられるかもしれない。

斎藤 そうだね。ディフェンスリバウンドを取ったあと、自分たちのオフェンスに切り替わるのが3×3のほうが速いので、その切り替えの速さを生かせれば、5人制でのレベルも上がるかなと思います。

見尾田 加えて、3×3では5人制以上にリバウンドを取れるか取れないかが試合に大きく影響するので、ゴール下でのディフェンス強化にもつながるはずです。

――実際にやってみて感じた3×3の魅力とはなんですか?

斎藤 5人制より人数が少ないぶんスペースがあるので、1対1が得意な選手はスペースをうまく活用して自分のやりたいプレーができること、また、相手の動きを見ながら、自分の動きを考えてプレーできるところは、おもしろいなと感じました。それと相手チームとの交流もあり、試合後に話をしたり、私たちの試合を応援してくれたりするのも3×3の魅力ですね。

見尾田 1対1からのシュートが決まると、観ている人たちが大盛り上がりで。そういう魅せるプレーがあるのも魅力のひとつだと感じます。

松尾 1試合の時間が短いので、いろいろな試合が見ることができました。また、3×3では一人ひとりの技術が求められるから、レベルの高い個人技や、いかに相手を抜くかなど、男子の試合も含めて高度なテクニックを多く見ることができて、とても勉強になりました。

阪口 大学のバスケットボールの試合では、知り合いか関係者の観客が多いのですが、自分たちのことをまったく知らない観客が見てくれるのは、3×3ならではだなと感じました。たぶん、展開が速いのでバスケットボールに詳しくなくても、見ていて楽しいのかもしれない。そんな魅力も、3×3にはあるのかなと思います。


画像:阪口和香子選手。179cmの身長を生かしたプレーでチームの得点源に

――4人は今年が大学最後のシーズンになります。この1年間の目標をそれぞれ教えてください。

斎藤 私は副主将という立場でもあるので、プレーで後輩を引っ張ることができたら一番いいのですが、それ以上に最高学年として練習からチームをけん引して、後輩をまとめること。「この先輩に付いていきたい!」と思われるような行動を普段から心掛けたいです。

見尾田 フォワードというポジションは人数が多いのですが、切磋琢磨をしながら(周りに)負けないように頑張っていきたいです。

松尾 技術面ではシュートの確率を上げること。チームについては、最高学年になるので、みんなを引っ張っていけるように練習の先頭に立って頑張りたいです。

阪口 個人のスキルをもっと上げて、最後まで全力を出し切れるように、悔いの残らない試合をしたいと思っています。

――チームの目標は?

全員 2部Aリーグ昇格です!

――ありがとうございました!

<プロフィール>

斎藤 侑実(さいとう ゆみ)
東洋大学 文学部 教育学科 4年
東京都・国本女子高校出身。小学生の頃から背が高く、何かスポーツをやりたいと思っていたときに友だちに誘われて、小学3年生からバスケットボールを始める。ポジションはセンター。2019年は副主将を務める。

阪口 和香子(さかぐち わかこ)
東洋大学 法学部 企業法学科 4年
東京都・明星学園高校出身。中学時代、バスケットボール部の練習を見学した際に見たレイアップシュートがかっこよくて、「私もやりたい」と思い、バスケットを始める。ポジションはセンター。

松尾 京佳(まつお きょうか)
東洋大学 文学部 英米文学科 4年
東京都・京華女子高校出身。小学3年生のとき、姉の友だちに誘われてバスケットボールで遊び始めたのをきっかけに、中学、高校、大学とバスケットボールに打ち込む。ポジションはフォワード。

見尾田 華(みおた はな)
東洋大学 経営学部 会計ファイナンス学科 4年
新潟県・新発田商業高校出身。姉がバスケットボールをやっている姿を見ているうちに、自身もやりたくなり、小学校2年生から始める。ポジションはフォワード。

■東洋大学バスケットボール部(女子部)
http://toyobasketball.net/

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